上映会×となりまち-となりまちパイロット事業「農と食」
かつて、三鷹には映画館が3館あったそうです。最後の1館となった三鷹オスカーが閉館したのは1990年。インターネットで検索すると、当時の閉館を惜しむ声がいくつも見つけられます。その後、三鷹オスカーの1日限りの復活イベント(2010.3.22開催)を経て誕生した「三鷹コミュニティシネマ映画祭」(2010-2016)やその系譜といえる「三鷹連雀映画祭」(2017-)などが市内の各所で開催され、これまでにたくさんの映画監督や役者などがゲストで訪れています。第二回三鷹連雀映画祭ではなんと、三鷹フィルムコミッションコラボ企画として、映画祭実行委員会がオリジナル作品も制作していました。
また、三鷹の森ジブリ美術館の開館を記念して2002年に始まった「三鷹の森アニメフェスタ」では、三鷹の森ジブリ美術館が厳選する古今東西のアニメの上映会「アニメーション古今東西」と、三鷹市とインディーズアニメフェスタ実行委員会が主催する「インディーズアニメフェスタ」が開催され、今では毎年の恒例アニメイベントとなっています。映画館がなくなっても、大きな画面でみんなで映画を観るという文化が生き続けている三鷹です。
これらの映画祭の運営やパンフレットなどの制作に携わるのが、三鷹産業プラザ内にオフィスを構える山田浩之さん。17年ほど前に三鷹市民となって以来、三鷹の森アニメフェスタや三鷹コミュニティシネマ映画祭に関わるようになり、今では三鷹連雀映画祭の実行委員として映画祭や上映会などを企画しています。今回ご紹介するとなりまちパイロット事業は、山田さんをはじめ三鷹連雀映画祭実行員会メンバーなどによる、「農と食」に「上映」を絡めたプロジェクトです。
三鷹連雀映画祭実行委員会がこれまでに開催してきた「食とドキュメンタリー映画の上映イベント」。食にまつわる映画を観て、その映画に出てきた食材を使った料理を楽しむというその企画は、2016年から三鷹市内のミタカフェやCafe Hammock、武蔵野市のMIDOLINO_などで開催されてきました。となりまちパイロット事業ではこれを発展させ、3市の「地元食材」から生まれるストーリーを描いています。映画を観てごはんを食べるというのは目新しいことではありませんが、その体験の共有は、きっとほかに代えがたい時間です。地域の食材と生産者、そして地域の食・食材にまつわる映像との出会いが、まちの人の動きをほんの少し変えるかもしれません。
山田さんにお話を伺ったところ、開催は世の中の状況を見つつ、そして地元食材の状況を見つつ秋以降となりそうでした。またとなりまちパイロット事業と同時進行で、昨年はコロナにより断念した三鷹連雀映画祭が主催する上映会についても、少しずつ計画が動いているようです。まちの中に楽しみが増えてきました。集まって映画を観て食事やお酒を楽しめる日が待ち遠しいです。
ちなみに、三鷹で映画祭や上映会が立ち上がるきっかけとなったのは、三鷹オスカーの1日復活イベント。この後に、映画好きの集う「三鷹シネマ倶楽部」が発足し、映画を観にいったあとに飲みに行く「映画遠足」というのがスタートしたそうです。学生から年配まで、三鷹市内はもちろん遠方からも多くの参加者があるという三鷹シネマ倶楽部。映画遠足には鑑賞作品の監督や役者さんがゲストとして参加することもあり、映画を愛する人たちのたくさんのつながりが映画祭や上映会の大きな力となっているようでした。
【三鷹連雀映画祭】
【三鷹シネマ倶楽部】
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