となりまちプロジェクト 武蔵野・三鷹・小金井

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となりまちプロジェクト 武蔵野・三鷹・小金井

【5年間のとなりまちプロジェクトをふりかえる!小金井市観光まちおこし協会編】

2023.3.27

2018〜2022年度にわたって行われた「となりまちプロジェクト」が、この3月で一区切りを迎えます。武蔵野市・三鷹市・小金井市という隣接するエリアで、それぞれの市と3つの観光協会が事務局となり、市域を越えて交流人口を増やそうと取り組んだ5年間。変わったことや変わらなかったこと、そしてこれから先のこと…。それぞれの観光協会に話を聞きました。

三鷹、武蔵野と話を聞き、最後は小金井市観光まちおこし協会の千葉幸二さんと兼堀義信さんに会いに行きました。

まちの人や活動を支える意識の共有と、面白いことが立ち上がりやすい環境づくり

018年にスタートしたとなりまちプロジェクトについて、立ち上げ時から携わってきた千葉さんがふりかえりました。

「このエリアに本当に役に立つもの、あったほうがいいものは何なのかという議論が出発点でした。そこで、“地域で活動・活躍している人”というのがキーワードとして挙がり、観光資源とかそういうことではなく、地域の中の人がいろいろやることが、このエリアにとって一番の財産になっているということが見えてきました。つまり、地域の人にフォーカスし、地域の人に何かをやってもらうこと自体が魅力になったり、3市の人が交流するような動きにつながるのかなと」

5年という長いスパンを踏まえ、市民が主体的にやりたいことに向けて動き出せる土壌や、それを行政や観光協会が連携してサポートできる仕組みづくりという方向で動き始めたとなりまちプロジェクト。地域を跨いだ交流や関係性を生み出していくというテーマのもと、市民交流会や3市のツアーなどで動き出したところで、コロナ禍に突入しました。

小金井市観光まちおこし協会の千葉幸二さん(右)と兼堀義信さん(左)

小金井市の職員である兼堀さんは、3年目から小金井市観光まちおこし協会の一員としてプロジェクトを担当するようになりました。

「観光という視点で考えると、行政区域という小さな単位でやっていても得られる効果は少ないので、それを隣り合う3市で一緒に取り組むというのはいいやり方だと思いました。ただ同時に、行政は毎年人の入れ替わりがあるので、最初の熱量を維持していく難しさも感じていました」とプロジェクトをふりかえりました。

コロナ禍で人の交流を促すことができない時期が続き、関係性を広げていくことに苦心した3年目以降。交流や関係性の広げ方について、千葉さんは行政や観光協会の役割をプロジェクトで再確認していました。

「行政や観光協会のように、市域を前提とする組織がその活動のベースをつくろうとしても限界がある。市域に囚われずに活動を展開し事業化するような人を増やし、私たちはそれをサポートするという考え方がいいのだと思います。となりまちプロジェクトでは、そういう人たちをなかなかピックアップしきれなかったけれど、パイロット事業やラリー企画部の動きは、そういった意味では方向性は間違っていなかったと思っています」

2022年のフォトラリー終了後も、自分たちの企画を持ち寄り次なる活動を始めているラリー企画部の動きを見守りながら、「5年が終わり、ここからがスタート」と千葉さんはいいます。

「ここまでの3市の連携が途切れないように、協議や情報交換を続けていかないといけない。それぞれのまちで活動する人や事業の動きを捉えて、一緒になってサポートしていけるような枠組みは、引き続き目指したほうがいいと思っています。例えば、行政や観光協会がイベントを増やしていくのではなく、そういうことを面白がってやれるような人を増やす仕掛けをしていく。それは、それぞれの市の単位でも広域でも、考え方は同じかなと思います」

また、交流や関係性の拡大を模索したとなりまちプロジェクトは、隣り合う3市の行政と観光協会という、プロジェクトの事務局側にも少なからず変化をもたらしました。

「同時期にとなりまちプロジェクトとは別の事業として、3市でオンラインツアーをやりましたが、それはこのとなりまちプロジェクトが少なからずきっかけになっていると思います。また先日、みたか都市観光協会が防災のオンラインツアーを開催しましたが、その情報を小金井市観光まちおこし協会のサイトでも告知しました。結果的に参加者の1/4が小金井の方だったそうで、そうやって行政の垣根を越えていける動きが、このプロジェクトをきっかけに生まれています。行政や観光協会の距離が縮まり、意識も変わってきたのかなと。それはとなりまちプロジェクトの成果の一つだと思っています」と兼堀さん。

5年目が終わり一区切りとなったとなりまちプロジェクトですが、この先もエリアを跨いだ動きはゆるやかに続いていきます。ラリー企画部メンバーたちの新たな動きはすでに始まっており、となりまちプロジェクトのSNSで活動の様子が見られますので、ぜひチェックしてみてください。

となりまちプロジェクトSNS

Instagram  https://www.instagram.com/tonarimachi_otonari3/

Twitter https://twitter.com/tonarimachi4

FBページ https://www.facebook.com/tonarimachi

FBグループページも始まりました。ご自由にご参加ください。

https://www.facebook.com/groups/6088492507904876/

【『となりまちプロジェクト』の歩み】

▶︎2018年度 武蔵野、三鷹、小金井の3市と武蔵野市観光機構、みたか都市観光協会、小金井市観光まちおこし協会が連携して「武蔵野・三鷹・小金井市魅力向上プロジェクト」スタート。3市で活躍する約15人による「プレ市民交流会」を開催。

▶︎2019年度 「プレとなりまちツアー(武蔵野編、三鷹編、小金井編)」を実施。

▶︎2020年度 コロナ禍でイベント開催困難に。翌年度のパイロット事業の計画立案。

▶︎2021年度 「農と食」をテーマに、3市でそれぞれパイロット事業を展開。

——武蔵野市「直売所をめぐるクイズラリー」「食と農をめぐる文字あつめラリー」

——三鷹市:「料理レシピ付き3市の農作物のセット販売」「映画上映&三鷹野菜のカフェフードづくり」

——小金井市:「つながる道草市」「3市を巡るお買いもの散策ツアー」

▶︎2022年度 市民の企画参加者を募り、「商店街」「文学・アニメ」「音」グループに分かれて3市をまわる企画を検討。この提案をもとに「となりまちフォトラリー」を開催。

▶︎2023年4月 ラリーの企画参加者が中心となり、市民主体の活動として再スタート。