となりまちプロジェクト 武蔵野・三鷹・小金井

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となりまちプロジェクト 武蔵野・三鷹・小金井

【5年間のとなりまちプロジェクトをふりかえる!みたか都市観光協会編】

2023.3.17

2018〜2022年度にわたって行われた「となりまちプロジェクト」が、この3月で一区切りを迎えます。武蔵野市・三鷹市・小金井市という隣接するエリアで、それぞれの市と3つの観光協会が事務局となり、市域を越えて交流人口を増やそうと取り組んだ5年間。変わったことや変わらなかったこと、そしてこれから先のこと…。それぞれの観光協会に話を聞きました。

まずは三鷹へ。みたか都市観光協会の瓜生田和正さんと横堀陽子さんに会いに行きました。

視野を広げプロセスを模索する。何かの時に助け合える関係性の構築

「まず『3市の交流人口を増やしましょう』という目標があり、そこに向かうプロセスを考えるところからのスタートでした」と瓜生田さんはプロジェクトが立ち上がった2018年度をふりかえりました。当時は三鷹市生活経済課の職員として、プロジェクトの立ち上げに携わっていた瓜生田さん。中央線で結ばれた3市の連携は自然な流れだったといいます。

広域で連携することについて瓜生田さんは「言うまでもなく大事」とし、

「3市で継続的に連携して動いてみて、市民の方たちへのサポートの仕方もそれぞれに違うアプローチでとても興味深かったです。またこの3市に限らず、今は『観光』の定義も捉え方も本当に様々で、勉強になることも多くありました」と、連携して得た気づきを挙げました。

となりまちプロジェクト初年度に実施した市民アンケートでは、三鷹と小金井の市民は買い物や遊びで武蔵野市に行くものの、武蔵野市民が三鷹や小金井に遊びにいくことはあまりないという、3市の関係性が見えてきました。プロジェクトでは、3市の中で地域と関わりながら仕事をしたり、市民活動などをしている方たちに声をかけ、「プレ市民交流会」を開催。関係人口を増やすという目標に向かい、つながりの広げ方を模索していきました。

「初めの頃はなかなかスムーズに関係性が広がっていきませんでしたが、それも、プロセスを模索するこのプロジェクトの醍醐味ではあったのかなと思います」と瓜生田さん。

みたか都市観光協会の瓜生田和正さん(右)と横堀陽子さん(左)

となりまちプロジェクトは、その後、3市の市民が地域でやりたいことの実現に向け、事務局がサポートするというかたちで市民同士の交流を促していきました。2年目からプロジェクトに携わった横堀さんは、2021年度に実施したパイロット事業について、観光協会としてのサポートの仕方について様々な気づきがあったとふりかえりました。

「企画の主体となるプレーヤー(市民)に対し、私たちがどういうお手伝いができるか、難しいことは何なのかなどが具体的になったので、観光協会としてはとても今後の参考になりました。また、単発の取り組みで終わらせずに継続させていくことが大事なので、パイロット事業で課題を明らかにして、その後の動きにつなげていくことができたのが良かったと思います」

常に先の展開を考えながら企画を進める大切さを改めて確認したという横堀さん。個人的にもとなりまちプロジェクトをきっかけに、小金井や武蔵野の人たちとの交流が深まり楽しんでいると教えてくれました。

パイロット事業の翌年には、3市の市民による「ラリー企画部」が立ち上がりフォトラリーを開催。フォトラリー終了後も企画部のメンバーたちは引き続き新たな企画を出し合い、より市民主体となって2023年度も取り組みが継続していきそうです。

また三鷹では、初年度のプレ市民交流会に参加した他市の方が、三鷹市内の企画を考える「みたか都市観光協会企画委員会」に参加したりという動きもあるそうで、連携事業をきっかけとした持続的な関係性が生まれていることがうかがえました。

瓜生田さんは行政の職員として、また観光協会の職員として、両方の立場からプロジェクトを推進したことを踏まえ、それぞれの役割について次のように話しました。

「本来、市民がつながるプラットフォームは行政がつくるのではなく、市民の中から立ち上がって運営されていくのがベストだと思います。ただ、地域の中でやりたいことがあるけれどやり方がわからないという方がいたら、最初の一歩を踏み出すサポートする。その役割は観光協会がこれからも担っていくべきだし、そういう仕組みは今後もつくっていきたいと思っています」