武蔵野市緑町に、新しい「場所」ができました。その名も「83（ハチサン）ビルディング」。以前、東小金井の高架下に事務所を開いていた建築設計事務所studio83（スタジオハチミチ）の辰巳知子さんと辰巳雄一さんご夫妻が、自宅兼事務所としてリノベーションし、1階をこれから地域に開いた場所にしていくということです。ビルに暮らしながら2年ほどかけてじっくりとリノベーションを進め、先日いよいよお披露目となった83ビルディング。さっそくオープンハウスにおじゃましてきました。

1フロアが9坪というコンパクトなビルながら、地下1階、地上4階、そして屋上もあり、すべてのフロアが自然なつながりをもってひとつになっているような建物。辰巳さんたちの工夫が随所に施され、上にも下にも、前にも後ろにも広がりを感じる新鮮な感覚を体験しました。
通りに面した1階は、もともと店舗として利用されていたスペース。飲食営業ができるキッチンがあり、まちに開いた場所にしていく予定とのことです。通りがかりの人も、何のお店が始まるのか気になっているようで、チラチラと覗いていきます。

2階がstudio83の事務所とシェアオフィスになっていて、オフィス入居者を募集するそうです。広々したデスクや、大きな窓が気持ちを外へ向かわせてくれたり、真ん中の共用の作業台とロッカーがほどよい垣根になっていたりして、それぞれが自分の仕事に集中できる環境づくりがされていました。

3階から上は辰巳家の住居です。下のフロアとはまた違う、生活空間のための工夫があちこちに。
地域に開かれたスペースと仕事のスペース、そして生活スペースをうろうろと歩かせていただき、それぞれのフロアで無理なく気持ちが切り替わるようなイメージができました。けれども決して分断されているわけではないという不思議な感覚。フロア間の適度な上下の移動がそうさせるのでしょうか。興味深いです。

1階のキッチン、2階のシェアオフィス、そして地下1階はギャラリースペースになっており、これからどんな人がどんな風に使っていくのか、とても楽しみな83ビルディングでした。オープンハウスは今後も定期的に開催するということです。ご興味ある方はぜひ83ビルディングのInstagramをご確認ください。